この貴重な緑の募金は、栃木県内の身近な緑化の推進や森づくり、地球温暖化防止などに大切に活用させていただきます。
今から約70年前の第2次世界大戦直後、日本の山々は荒れ、日本全国で約150万ヘクタール(栃木県の面積の約2.3倍)に及ぶ荒廃した土地が広がっていました。
森林の荒廃により水害や水不足など、国民生活に深刻な影響が及ぼされたため、国民運動としての緑化の取り組みが開始されました。
1950年(昭和25年)には、第1回の植樹行事(全国植樹祭)が山梨県で開催され、以後、国土緑化の中心行事として全国持ち回りで毎年開催されています。
またこの年には、各地に緑化推進委員会が設置され、緑の羽根募金運動もスタートいたしました。
栃木県でも昭和25年に各界の代表による栃木県緑化推進委員会(現在の公益社団法人とちぎ環境・みどり推進機構)が発足し、緑の羽根募金がスタートしました。
この緑の羽根募金での植栽の第1号が、昭和26年の日光街道さくら並木の植栽です。宇都宮市上戸祭から日光市山口までの16kmを当時の篠井・国本・冨屋・城山・大沢の5村の道路愛護協会が募金で購入した苗を住民の手で植えたもので、ヤマザクラ1,300本、ヤマツツジ1,500株が植えられました。栃木県初めての植樹祭でした。
現在、この並木は「さくら名所100選」に選定され見事な桜並木となっています。
(日光街道さくら並木)
ヤマザクラのため開花はソメイヨシノより1週間ほど遅い。
宇都宮から日光までの16km区間に及ぶ並木なので、様々な桜の開花が楽しめます。
緑の羽根募金は、平成7年(1995年)、国民参加の森林づくりを地球規模で進めるため「緑の募金による森林整備等の推進に関する法律」が制定され、名称が「緑の募金」に変わりました。
70年前の取り組みが、私たちの生活や暮らしを守る大きな緑の資源となっています。
これからも次の世代に向けて、緑の募金の取り組みにご理解とご協力をお願いします。